母乳育児については、かかりつけ医とよく相談して決めましよう
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV‐1)は、1981年に日本人学者が発見したウイルスです。血液や母乳を介してこのウイルスに感染すると血液がんが発症することがあります。日本では西日本から九州にかけて多く発生しています。感染してもすぐには発症せず、多くは40〜60代になってからで、発症の確率は1300人に1人といわれています。感染経路は次の3つが考えられます。
①ウイルスを持った人の血液を輸血して感染する(現在では血液検査の厳守から血液感染は消滅)
②ウイルスを持った人からセックスを介して感染する(この場合、妻が感染しても発症することは極めてまれなキャリアーとなる)
③ウイルスを持った母から子へ感染する。感染経路の確定や予防法に関しては、現在も研究中です。
母乳育児に関しては、母乳感染の発生率は極めて低いので、短期母乳(生後3カ月くらいまで)や、一度冷凍したり加熱すれば問題ないとする説や、やはり母乳は与えないにつがいいとする説などがあり、結論は出ていません。母乳育児を希望する場合は、かかりつけ医と話し合い、納得できる方法を見つけましょう。