「不正出血」という言葉をご存知ですか?妊娠期間中に気になるのが出血に関する事は多く取り上げられるのですが、女性にとってはとても気になる事ばかりです。

ここでは、妊娠を意識している人にとってとても気になる「不正出血」についてどんな症状なのか、病気の可能性はあるのか?などのことを紹介していきます。

■妊娠中の出血に関する記事
着床出血

今回のテーマ
不正出血

不正出血とは?どんな時に注意が必要?

不正出血とは生理などの時期でもない時に出血をすることなどに可能性がある症状です。しかし生理以外の時でも女性には出血の可能性がありますのでそれがすべて不正出血というものではありませんが、似た出血として排卵出血というものもあります。

不正出血というのは生理以外の性器からの出血全般を意味しているため判断の難しいのも特徴です。

しかし、この排卵出血は生理後の排卵の時に卵巣の表面から排出された際に毛細血管が切れておこるもので通常の生理現象です。

判断の難しい不正出血ですが、どのような特徴や症状なのか見ていきましょう。

不正出血には種類がある

不正出血にも実は種類があり、2種類に分けることができます。

器質性出血

子宮や膣などにできる悪性腫瘍など、病気・疾患が原因となって起こる出血、それが器質性出血です。簡単に言うと性器にできた病気が原因で起こる出血のことを言います。
卵巣は加齢とともに活発になっていくのですが、それとともに増えていく傾向が見られます。
器質性出血は病気によって起こるものですから、その病気によって良性・悪性に分けることができます。

良性のケース
子宮筋腫や子宮頸管ポリープ、子宮内膜症など良性のものは治療をきちんと行えば基本的に完治するものです。放っておいたりするなど、場合によっては不妊症の原因ともなりますから早めに治療をしておきましょう。

悪性のケース
子宮頸がんや膣がん、子宮肉腫などの場合。これらの病気によって不正出血が起こってしまう場合には、大きな病気のサインともいえるので十分に注意しましょう。

<機能性出血>

これは、女性ホルモンの一種である黄体ホルモン・卵胞ホルモンのバランスが崩れて起こる出血のことをいいます。どういうことかというと、思春期でまだ卵巣の働きが安定していないときや、逆に卵巣の機能が衰え始めた更年期に起こりやすいのが特徴です。
何も病気がない、器質性出血の可能性がないという場合には、この機能性出血であると考えて良いでしょう。
機能性出血はホルモンバランスが一時的に崩れたことで起こることが多いため、出血量もごくわずかという場合が多いようです。
ですからストレスを受け続けたり、不規則な生活が続いたりするとホルモンバランスが崩れてしまうので、機能性出血のような不正出血に繋がってしまうというわけですね。

さまざまな原因のある不正出血ですが、最も心配なのは悪性の子宮がんです。子宮がんはできる場所によって子宮頸がんと子宮体がんに分けられますが、どちらも悪性の器質性出血が発生する場合があります。

ちなみに、子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんで、ヒトパピローマウイルスというウイルスによって感染するものです。
性行為によって感染するので、10代や20代にも多くなってきているがんです。病気が進むと不正出血や臭いの強いおりものが出てしまうようになり、下腹部や腰などに痛みが出てきます。

子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんですが、子宮体がんは子宮の内側にできるがんのことを言います。子宮内膜にほど近い場所にできることから子宮内膜がんとも呼ばれています。

この子宮体がんになる原因は、未婚や妊娠経験のない方、またホルモン剤を服用している方が多い傾向にあることから、女性ホルモンのバランスが崩れているために起こると言われています。

子宮体がんはホルモンバランスが崩れる閉経前や更年期の時期に起こる場合がほとんどで、特にその前後の時期、50代に多く見られます。子宮体がんの初期には不正出血がありますから、注意が必要となります。

また、不正出血には妊娠と関わるものもあると言いましたが、受精卵が子宮内膜に着床した影響で出血することもあります。
逆に流産や子宮外妊娠の場合もありますが、意外と気づかないということも多いので注意深くチェックすることが必要です。

不正出血の原因とは?

不正出血が起こってしまう原因というのはさまざま。ほとんど心配するほどではないような不正出血から、逆に大きな病気のサインとなっている不正出血の場合までありますから、問題がないかどうかをしっかり調べるようにしましょう。
不正出血の主な原因として挙げられるものをご紹介します。
・妊娠(着床出血)
・流産や子宮外妊娠
・ホルモンバランスの乱れ
・膣裂傷などの傷
・子宮や膣の炎症
・処女膜の傷
病気だけでなく、妊娠に関わる不正出血もあります。

不正出血と判断するにはどんな特徴を見るのか

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不正出血と判断するのはなかなか難しいのですが、特徴としてはホルモンバランスに乱れが見られる時、生殖機能の異常や性病やその他の病気によるものが原因でおこります。

生理と違うタイミングで起きる出血の症状ですので、すごく不安になる事が多いため、生理以外での出血は婦人科で診察をしてもらいましょう。

排卵出血であるかどうかは基礎体温を普段からつけている人ですと排卵日と重なっている場合のため、簡単な判断はしやすいのですが、不安がある場合は診察にいきましょう。

不正出血で可能性が考えられる病気について

不正出血の原因については複合的な要因があるため、病気の可能性もあります。現在では予防接種や早期治療で改善される事も増えてきたため、気になったらはやいうちから診察・予防などのことを意識してください。

ここからは不正出血の場合に考えられる病気の症例を見ていきます

子宮がん

子宮がんは最近では20〜30代でも発祥が増加している傾向にあります。子宮がんには2つの種類があり「子宮頸がん」と「子宮体がん」と呼ばれるものがあります。

子宮頸がんという病気は女性がかかりやすい病気として4番目と非常に高く40代での発祥が最も高く、20〜30代での発祥も増加傾向にあると言われています。

子宮体がんの発祥は60代の女性に多く40代での発祥は5%ほどになっています。
不正出血が見られたときは早期に子宮がんの検査をうけましょう。

卵巣がん


卵巣にできるがんです。女性の病気による死亡原因としても高い病気の症状で、体の内部の奥の方に位置するため症状が出て自覚するまでに時間がかかるもので、良性・悪性の判断も手術をおこなってのみ判断できるやっかないなものです。がんの可能性がある場合摘出手術が必要になります。

子宮筋腫

子宮にできる腫瘍の中でも良性の腫瘍のもので30代の女性で4人に1人の割合で確認される症状です。良性で手術が必要はないものではありますが、放っておくと肥大してしまう事もあるため注意は必要です。
子宮筋腫似よって起こる症状として肥大化するに伴って不正出血の原因になります。その他にも経血量が増加したり生理痛が重くなったり、腹痛や腰痛などのお腹の周りに影響する症状が出ることがおおいです。

子宮内膜症

子宮内膜症とは通常では、子宮内にある内膜が子宮以外の場所に内膜を発祥する病気です。すぐに悪い症状になる事はない症状ですが、閉経するまで回復する事はないものです。

中にはチョコレート嚢胞という状態になると体の中の他の臓器と癒着する事が考えられているため手術が必要になる場合もあります。
手術の方法は1.手術療法(開腹手術、腹腔鏡手術)2.薬物療法(擬妊娠療法、擬閉経療法)というようなものがあります。子宮内膜症によっておこる不正出血もありますが、不妊などの原因にもなるため検査が必要です。

性器クラミジア感染症

性感染症の性器クラミジア感染の場合はクラミジア菌が子宮頸管などに感染する事で起こる症状です。炎症を子宮や卵管などでおこすため不妊、子宮外妊娠、流産、不正出血などの原因になります。
症状が比較的軽い時には気づきづらいものですが、パートナーへも感染する病気のため男女ともに治療が必要になります。

不正出血に関する良くある質問

不正出血かもしれない症状が現れた時は不安になるものですが、実際に婦人科の先生などからお聞きした良くある質問への返答を集めてみました。

Q.不正出血は一般的におこるものですか?
不正出血と見られる生理以外での出血はほぼすべての女性が経験されているはずです。なかなか人に相談しづらいものです。その中でも生理痛が普段とちがいひどい場合や、貧血になってしまうほどの出血が続いた場合は悪性の物の場合があるため早期の診察をしましょう。

Q.生理後1週間後位でまた軽い出血をしているのですが
生理後1週間後くらいでの出血の場合生理初日から14日後位の頃です。このときは排卵日とも重なる日のため排卵出血という症状かもしれません。
排卵出血の場合は軽い出血と1〜3日ほどで治まる場合が多いため、すこし経過を見てみましょう。出血が多い場合はホルモン剤やピルでの治療も行われる事があります。

Q.不正出血の出血をしている場所はどこからでているの?
不正出血の確認おために出血の場所はどこからなのかというのは気になりますが、病気でおこっている場合は特定には診察が必要です。ホルモンバランスが崩れたり子宮内膜症やポリープなどが原因の場合は子宮内からの出血、また膣外の部分でも炎症などによって出血する場合があります。子宮外妊娠などの場合は卵管などからの出血も考えられます。
出血がひどく貧血の症状などが出ている場合は早期に診察をしてください。

Q.いつも茶色のおりものが出るのですが大丈夫?
ホルモンの分泌が足りていない可能性がありますこの場合「卵巣機能不全」という症状になるのですが子宮内でのホルモンのバランスが悪く出血をしている状態。この症状は薬剤で治療をする事ができます。

これ以外で考えられるのは「子宮頸管ポリープ」という良性の腫瘍ができている場合です。悪性ではないためすぐ治療が必要なものではないのですが、経過や診察はおこないましょう。

Q.閉経をしているのですがたまに不正出血があります
閉経後に見られる不正出血の場合「子宮がん」の可能性が非常に高いためすぐにがん検診を行ってください。
がん以外でも考えられる症状としては「萎縮性膣炎」というものがありますがこちらの場合でもすぐに診察が必要なため、閉経後の不正出血が会った場合できるだけ早く診察を受けてください。

Q.不正出血での治療はどのような診察になりますか?
不正出血が見られた場合の診察は最後の月経日を記載します。基礎体温を付けている方は持参しましょう。
内診の場合は抵抗がある方もおおいのですが、お腹の上からエコーなどの超音波で健診をする方法もあります。
実際の治療も薬の服用や注射だけで住む場合がとても多いです。手術となった場合は現在ではレーザーなどの電気メスでの手術であっという間に終了するものも特徴です。

不正出血になった場合の対処方法

不正出血は普段から生理の状態などを把握しておかないと発見が遅れてしまう事が多いため、治療が必要な病気などの悪化を招くことがあります。
いつもと違うとかんじたらすぐに婦人科へ診察に行く事が健康にはとても大事な事ですので不正出血かもしれないとおもったらすぐに診察に行きましょう。